●神岡の家 完成
兵庫県たつの市で進めておりました設計施工{神岡の家} 完成です。
ガリュウム鋼板屋根に社寺建築の技術を生かし曲線を取り入れた伝統工法の家に仕上がりました。
お施主様のご要望により収納をありとあらゆる箇所に設け ”手を広げると何かが掴める”空間設計とし
(設計担当者談)ご主人様には友人が多いいので、とにかくみんなでくつろげる場所を作ってほしいとのご希望にて木製デッキも造りました。
檜の30cm直径の柱や日本材をふんだんに使用した内外装はホント落ち着きます。
施工中は、「西嶋さんって社寺建築屋さんやなかった?」そんなご通行中の皆様のお声掛けを沢山いただきました(笑)
そうなんですね。。。私たちは住宅{家}も手掛けます。
設計部には若いスタッフが毎日古建築と格闘してますが新建築住宅のお話をいただくとなぜか目を輝かせます・・・
どうやら歴史考査ストレスが溜まっているみたです。
当家、お施主様より見学希望の方はどうぞ!とのお言葉をいただいております。
ご希望の方は以下までmailもしくはお電話いただければ対応致します。
神岡の家見学希望と明記下さい
mail nishijimakomuten@if-n.ne.jp
電話 079-236-4881
●新婚さん
●永男氏追悼
14日午後相撲甚句の作詞者として有名な永男(のりお 本名 福田永昌)氏が亡くなられました。
82歳日本相撲甚句会創設者でもあり人徳のあるお方でした。
実は永男氏、縁ありて弊社40周年記念に先代西嶋勉親方のお祝いを兼ね、その生涯を作詞の上甚句としてお披露目頂きました。
その作詞内容といい節回しは今も私たちの心の中に響き渡っています。
お優しいもの仕草から厳しき修行をされたお姿は私たちにとりましてもよき師匠でもありました。
ここに心よりご冥福をお祈りいたします。
宮大工 大都流 当主 鳳雲 合掌
●新弟子
今春、宮大工を目指して二人の若者が大都流の門をくぐりました。
百田将司 香川県出身 二十二歳
坊垣賢介 姫路市出身 十八歳
二名とも昨年二週間の研修期間を得て親方に許しを頂き晴れて入弟となりました。
兄弟子、会社の先輩方全員に挨拶をし、寮長 岩本剛から寮生活の規矩(規則)を指導頂き
緊張した出初めです。
弟子入りし、道具一式揃えていただき一番最初にカンナや道具を使わせていただけるのがこの道具箱です。
兄弟子の指示に従い、夜な夜な作り上げ親方に検証してもらいます。
朝、五時起床ー会社内外の掃き掃除ー鍵開けー朝食ー現場へ出発
帰社ートイレ掃除ー夕食ー砥ぎ・道具手入れ・課題作成ー風呂ー洗濯ー就寝
挨拶の出来不出来だけで鬼弟子から雷です。。
この子供たちが志を達成できるよう皆と共に見守って行きます。
{ 写真・・左 百田 右 坊垣 }
●新潟 北方文化博物館
先日、弟子の親父さまが急にご逝去されたとの訃報を聞き石川県までお線香手向けに上がってきました。
翌日私事にて新潟まで足を運んできました。
いまだ至る所に雪が残り、米処新潟の田には播州地方では目にすることのない白鳥が飛来し羽を休めています。
駅にて「この地にしか見学できないところはありますか?」と昔、東北美人であっただろうと思われる(失礼)初老のおばあさんにお訪ねすると
「そりゃぁ、伊藤さまの家に行けばいい。有難いお家だから。」あまりにもおばあさんの笑顔がありがたそうだったで、新潟駅から車で30分
田園地帯の真ん中にそびえ立つ 伊藤家 北方文化博物館に見学に上がりました。
博物館の内容は、上記よりリンク北方文化博物館ホームページご覧ください。
入り口で入場券を買い、丁度昼を過ぎようとしてたので園内のそば屋で十割そばに舌鼓してた時でした。
隣のおじいさんが、「あなたはどこからこられたのですか?」と聞かれ、諸事情をお話してますと急に「わかりました。今からこの家を案内して上げます。
それから、普通は入れない特別な部屋もご案内します」
よくよくお聞きしてますと、この家の当主 伊藤文吉さんでした。そして伊藤さんは名の知れた財団の館長でもあります。
30mの一本梁、1間仏壇、古美術の数々・・・と、それはもう素晴らしい内容でした。
豪商 伊藤家 日本で指折りの庄屋です。
当主伊藤さま(この地では伊藤さまと呼ばれているみたいです)からこんな温かいお話を聞かせていただきました。
30m梁を使ってる事について。
「お金があるとはね、人に分け与えるとかばらまくとか寄付するとかそれは本当の意味で金持ちとは言えないんです。
例えばこの梁、長い梁です。実は、新潟の山から切り出したんじゃない、福島の山からわざわざ切りだして筏で川を下りこの地に運んだんです。」
「それはなぜかわかりますか? 福島に居る山師や大工に関わらす事で雇用を作り出したんです。一人の山師(木を切る職人)を呼ぶと家族が付いてくる。
一人に最低3人はやってくる。次は家族の仕事を探す、煮炊きや人夫、はたまた職人見習いまでいろいろと生活が出来るようになる。
これがね、財を持つ人がやる大切な仕事なんです。今のお金持ちさんは、皆名誉とか地位とか引っかかって駄目ですね(笑)」
それから続けて伊藤さまは云われました。
「宮大工さんはいい仕事です。この時代厳しいでしょ?でもね、絶対に忘れてはいけないことがあります。それは、本物を残すことです。
本物とは、神仏に逆らわない仕事です。大変ですが一人ぐらいこれを守る人が居てもいいと思います。どうか頑張って下さい。」
有難いお話でした・・。
粉雪舞い散る寒空の中、よき出会いに巡り合えた私は幸せ者です。
伊藤さま本当に有難うございました。




