大都流は寛永年間初代清兵衛により生まれ、その後三百八十年間三十一代と継承されてきました。流派継承者の中には武士や百姓はたまた歌舞伎役者までいろんな方々がこの流派を守り、その刹那に命を賭け創り上げてこられました。

大都流は堂宮を造る為に生まれ引き継がれてきた大工の流派です。

三十一代目西嶋 勉 私の師、先代三十一代目西嶋 勉(号 臥龍)親方は昭和五年に生まれ、十五歳で三十代目三枝栄之助 親方に一番弟子として入弟されました。
先代修業時代は、大工修行というよりも親方の田畑の手入れから弟弟子の食事の世話までそのほとんどを大工修行とは程遠い生活を送ったといわれます。
 
 ある夜、親方さんが部屋に先代 勉を呼びつけ火鉢で数本の割り箸を灰に立てながら申されました。
「勉よ・・宮大工にとって一番大切なものはなんじゃと思う。技も必要じゃし頭もいるわな。それでもなそれ以上に大切なものがあるんじゃ。」

先代はこの言葉を聞いて答えを出すべく全国行脚修行に出られたのです。

hidensho2.jpg 今も沢山の子供達が宮大工になりたいと願い、この敷居を跨いできます。
 入弟を許されし子供達は研鑚約五年で流派の法被を賜ります。これにて世間で云う棟梁として認められます。
 
 その後厳しき修行を経て、伝事大都流秘伝書を受けることとなり、ここでようやく宮大工の称号を与えられます。

この伝授者より次代親方が生まれ盤石とした流派が継承されていくのです。

大都流  宮大工三十二代
当主 西嶋 靖尚 鳳雲
謹上

三十一代目より平成十九年現在まで 
入弟者  二十六名(設計修行を含む)
法被授受者 十八名
秘伝書授受者 八名

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