●教専寺本堂重建工事 ~建前~

平成27年3月26日 三年の歳月をかけて修復された国宝 姫路城の竣工式が執り行われます。
当日は、工事関係者を含め1400人の方々でのお祝いとお披露目です。
また、49年振りとなるブルーインパルスの飛行もあり素晴らしい式典となるでしょう。
私共も大工担当として御案内を頂きました。
丁度3月8日、神戸新聞正平調に関連記事が登載されてましたのでご紹介させていただきます。
元、文部技官であり昭和の大改修の総監督でありました加藤得二先生のお話です。
私共とのご縁は姫路城の改修が終了し、加藤先生が姫路の地に永住するとの事で弊社顧問となって頂き
城郭建築から社寺全てにおいての規矩術のご指導を賜りました。
私も弟子入りし数年間先生のお伴を致し、数々の西日本の文化財現場にて厳しいご指導とユーモアあふれる経験談を
教えていただいた事を誇りに思っております。
加藤先生の家を建てる時のエピソードがあります。
先代が図面の打ち合わせをし、いよいよ材木の調達に入ろうとした時に先生からこんな注文が入りました。
「材木は国産材、見えるところ全て節有りにするように」
先代親方は加藤先生のような名建築家が面白い事おっしゃるなぁ~と思ったのもつかぬ間
全て生き節の材・・・揃えるのに無節の材より大変だったと後談でした。
「杉は最低で最高の材料なんじゃ」
一級建築士の学者でありながら差し金を使い、鑿を振るうそれはすばらしい先生でした。
姫路に居て城に入れないとはなぁー
先代の想いがやっと一つ成就出来ました。
3月3日大阪ヒルトンホテルにて貴乃花一門後援会の設立式典が行われました。
実は私共相撲の世界とは全くご縁が無かったのですがこの度この後援会の最高顧問に
高野山清浄心院鳳凰奏殿でお世話になる池口恵観大僧正が就任されそのご縁でお招きをいただきました。
当日参会者1500人、各界から著名人を含め名士の御方のご列席でした。
恵観先生の乾杯のご発声から会ははじまりましたがお相撲さんを50数名目の当たりにし
田舎者の私達は驚きの連続でした。
会の設立の詳しい経緯等は貴乃花親方のホームページをご覧ください。
しかしながらこれだけのお人を集客できる恵観僧正には頭下がります。。
今月、故 大都流三十一代 西嶋勉 号臥龍 親方十三回忌と奥様の一周忌が西嶋家にて執り行われます。
先代が落葉されてから早いものでもう13年の月日が流れました。
法事ごとに先立ち高弟の弟子たちが墓前にお参りに来てくれました。
この弟子達は特に先代には厳しく叱咤痛棒を頂き育てていただいた子供たちです。
思い起こせば先代元気な時は休憩時間はいっぷくと云うほどに煙草一本くわえ吸い終わるころには
さっそうと鑿をもっていました。
いっぷく後にトイレでも行こうものなら雷の如く「何のためのいっぷくじゃ!あほたれ!」と怒鳴られ
切った端材を軽く捨てようとすれば「神仏の材を何所へ捨てるんじゃ!大切にせい!」
そう言いながら我が家の風呂焚きに持って帰らされました。
(お陰で今でも我が家は焚き物の風呂であります。。)
あると時には、現場で真っ黒になった私達をその恰好のまま高級クラブとやらに貸切で呑めや歌えの散財し
労をねぎらってくれた事を思い出します。
生涯夫婦で育てたくれた子どもたちは40数名、親御さんでも叱らない事を徹底して人として大切な事
身をもって伝えてくれました。
波乱万丈の人生でしたが好きな事を一生涯やりたい放題された志高き親方であったことに間違いはありません。
新しく一月六日付けで弟子入りを許された渡邊君の紹介です。
この度、弊社親方から入弟を許されました渡邊将太君です。
昨年、12月に二週間の実地研修を行いご両親立ち合いの上許しが出ました。
出身は九州大分臼杵市、海を面したとてものどかな街育ちの若者です。
縁あって臼杵市興山寺阿部観栄ご住職のご紹介を頂きこの度の入弟となりました。
宮大工の道に進みたい。
弊社には毎年時期を問わず門を叩き若者がやって来ます。
ある者は一心に大工になりたい。
またある者は親を幸せにしたい。。
色々な思いや希望を抱き顔を見せにきてくれます。
近頃の若者は皆真面目です。やんちゃもしない代わりに大人しい子供たちが増えてきました。
その中でこの時代に年下の兄弟子から日々叱咤され規矩厳しい寮生活に入り耐えるには
一応に一つだけ言える事があります。
それは願いです。
耐え忍ぶ時に我慢できない時に涙しこの道から逃げ出したいと思う時に絶対に引きとめさせてくれるものは何か・・。
お金が欲しいからでも人からの慰めでもありません。
自身がこの道に進みたいと決めた決断です。
これが修行の根源ですね。
渡邊君、最初の課題の自身の道具箱も作り上げました。
将来、日本を背負う宮大工になってほしいと拙に願ってます。
弘法大師空海が開かれた高野山に別格本山として由緒ある寺院
清浄心院に全国でも最高クラスの護摩堂 鳳凰奏殿の建立に我が流派、宮大工大都流の設計と施工のご指名を頂きました。
願主は鹿児島最福寺法主で護摩行の頂点に座されてます 高野山真言宗傳燈大阿闍梨 池口恵観 大僧正です。
一昨年、ご縁を頂き恵観先生から「壱千年の歴史を創造する。一緒にやりましょう!」と有難い真言を賜りました。
お山は今年1200年祭を迎えられます。
私達一門は当然ながらお山の規矩も勉強不足です。
聞くところによりますと、私共一門に普請奉行の命を頂くまでに全国から名高き大手企業を含め50数社ご来寺されていたと教えていただきました。
全国の共に歩む流派、名家、名工、大棟梁の皆様そして信心篤き壇信徒の皆々様、私達も心一つとなり世界平和の為、
一宮大工として出来うる限りの精進と信心をもって
槌音響かせて参りたいとの所存です。
どうかこれから永きに渡り、ご指導伏してお願い申し上げます。
私達の初発意はどのお山でも海でも動じることはありません。
一つ一つの神仏の縁、大切にしてまいります。
平成二七年一月
宮大工大都流 三十二代
当主 西嶋 靖尚 鳳雲 合掌
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