●弟子宿題
●老婆の奇跡 ~こぼれ話~
昨日亡くなったおばあさんのこぼれ話です。
「あんな、やっちゃん、人生はな玉入れと同じやった」
亡くなる二週間前の日曜日に作務をしてた五十三日堂での立ち話です。
初めて運動会で玉入れをしたのが五歳の時、意味もわからず赤も白もとにもかくにも
握っては掘り投げ掴んではかごに入れる。敵味方など考えず、目の前のそばがらの玉を投げるだけだった。
次に尋常小学高学年、白には負けるな!絶対赤だ!気合い入れろ!そう教えられ
本気で戦った。勝ったら万歳三唱!
いつしか老人会で玉入れ、準備してくれた籠は幼稚園時代と同じ高さ。
ばかにするなよ!と思いつつ必死に投げるが情けないかなとどきもしない。。
笑顔こぼれる中、数など勝ち負けも赤も白も関係なくただひたすらに無邪気に成って
腰を伸ばし頑張っていた。
何も無い時代だったけど、無邪気に純粋に生まれ育ち毎日が楽しかった。
それから少しして物心ついたころから生きる為の争いをしきた。
振り返り、何か残ったかというと何も無い・・。
気がついてみたら百八つの玉入れの数・・
ありがとうな ありがとうな
願以此功徳 平等施一切 同発菩提心 往生安楽国
合掌
●老婆の奇跡
私事ですが昨日、村のお葬式がとれました。
亡くなられた方は御歳84歳のおばあちゃんです。
私も幼少期からよく今日までよく叱られ成人になっても色んな事を教えていただきました。
このおばあさん、実は村のお大師堂(通称五十三日堂)に私の母同様毎日お参りするのが日課で
御足も元気で頭もボケずに、毎日毎日このお堂にお参りしお経を唱えながら「長男〇〇の怪我が治りましょうに・・
孫〇〇の就職が決まりますように・・」そして最後に「ぽっくりとあの世に逝けますように。。」これが口癖御経でした。
9月30日夕方気分が悪いと横になったおばあさんをみて、息子さんが救急車を呼び点滴を打ってもらい自宅に戻ってきました。
その夜、寝てるのかなと思うとどうやら様子が変、そのままどうやらぽっくりと旅立たれたようです。
1日お通夜式前、台風17号が通過との予報、村の人たちとこりゃ大荒れやな!こんな日にお通夜せんでええのに。。」
心配の中、なんと台風は逸れて夕焼けが自宅祭壇を照らしてくれてます。
2日葬儀式、直前にまた大雨・・バタバタしてるとなんとなんと開式15分前に晴れ上がり、さわやかに六道の灯も送り火となってくれました。
五十三日堂は願いを成就させてくれるところだ。と自負し、作務(掃除)をしてた私に、「いつもすまないな。ごくろうさん」と
声を掛けてくれてたおばあさんがまた一人居なくなりました。
彼岸花咲き乱れる田舎道、帰路につく村の人々から「あのばあさん最後に奇跡起こしたなぁ~」そんな声が聞こえてきたお別れでした。