●平成25年癸巳
~手斧~
宮大工三器の一器
皆さん、明けましておめでとうございます。
昨年は、世界情勢も日本の国も色々な出来事が御座いました。
平和を祈る心は皆世界共通一つと思いつつ、各地で紛争が勃発し、これから武力によって制圧しようとする
国々も見受けられ、国内に目を移すと、政治の世界では{約束・公約}から
{奪回・政変}と、これまた紛争の一年でした。
この世間の情勢の中、素直に、ひっかかる事なく通る問題も、人の心が惑わされ本当に進むべき道が
逸れて行く経験をさせられたように思います。
身近に目を向けると、同業の大工さんといわれる人たちが相当数その職を引かれました。
寂しい事です。
諸先輩方は皆生きる為、生活するために 流行り に手を出さざるをえなかったのかもしれません。。
昨年、私たち大都流の一門に全国から47名の弟子入り希望がありました。
皆、それぞれの事情と熱意があり、全員を弟子入りの許可を出してやりたい思いでしたが、台所事情あり残念ながら
希望に添うこともできなかった事この場にてお詫び致します。
宮大工一筋に続けるということは本当に大変なことです。
私の師が以前こう仰せでした。
「続けること(継続すること)実はこれが簡単そうで一番難しいことなんじゃ・・」
私達は、神仏から、宮大工という手段をいただきました。
世がどのように変わってもこの灯明は消えるとこはありません。
今年も、弟子と共に精進致します。
どうか皆様、ご指導伏してお願い申し上げます。
大都流三十二代
当主 西嶋 靖尚 鳳雲