●上霞城の家 ~完成~

仕事の都合で奈良へ行ってきました。
天候もよく久しぶりの奈良でしたがお参りする寺院全て新鮮に感じ古都のすばらしさに一々感動の連続です。
今回の散策目的は、今建立中の本堂彫刻絵様模索の為です。
勉強になりました。
先人の智慧そして信仰の深さ、そしてなによりも自然界のパワー・・・沢山のヒントを頂きました。
この中から未来永劫不変なる彫刻が出来、奉納出来る事楽しみにしてます。
写真・・東大寺・猿沢の池(亀)・南円堂宝珠・町並み住宅
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弊社には沢山の趣味をもたれた方々が遊びに来られます。
今日はその中でも木製ロクロを趣味にされ日々器を作成されている方のご紹介です。
作者名 {不伝}さん、校長先生を退職され念願の木いじりに没頭されてます。
時間がある時に会社の材木の切れっ端を盗んで?(笑)作成されてます。
当初作品は形は不揃い、鑿は切れず器とは言えないような作品でしたが今回出来上がった器はお見事素敵なプロ
顔負けの品に仕上がりました。
材は欅・桜・桧・松ですがそれぞれに木目を活かした味わいのある作品となってます。
こんな趣味を通じ能面師になられた方もいらっしゃいます。
さてさて不伝さんはどこまで本気になられるのでしょうか・・・・。
6月22日(月)恩師の招きで庄原市東城町東城 {東城市街地活性化シンポジウム}に参加してきました。
当地東城町は歴史・文化を活かしたまちづくりに地元有志を中心に行政と共に日々歩まれてます。
今回は、町並み中心地である旧旅館「三楽荘」にてシンポジウムが行われ広島大学野原名誉教授・庄原市副市長江角氏・京都造形芸術大学大石先生・自治振興区会長・町並み保存会・総合広告社の皆さんがパネラーとなり活発な意見交換が行われました。
旧旅館「三楽荘」明治24年に建築された入母屋造りの贅沢な造りの建物です。
この三楽荘のみならず東城には素晴らしい隠れた古建築や歴史漂う復興可能な町並みが随所に見受けられ、これからの住民皆さんの想いがどう意識付けされるか楽しみです。
私達宮大工は、彫刻も全て親方が下絵を描き弟子が彫っていきます。
彫刻の下絵を描く前にはそのご寺院様の宗派、時代考査は元より未来永劫意味あるものに仕上げなくてはなりません。
先代親方は、一枚の下絵を描く為に数十カ所のお堂を見て回り、夜な夜な静まりかえった部屋で香を焚き書き上げおられました。
私も常々描く為の心根を聞かせていただき、ある時は何回も描き直しの痛棒をいただきました。
流派の秘伝書には技としての彫りが七通りの手法として記されております。
ところがその精神は口伝として書かれておりません。
己を投げ出したところに見つかるんじゃ・・・そこで本物が描ける・・・勝手に手が動く、動かされる・・それが口癖でした。
以前、先代親方が入院された病室で筆をとり描かれた龍の彫刻があります。
現在、山門の中心に据えておりますが何故かご老人方がその門を潜る時手を合わされます。
よくよくお話しを聞くと「この龍に手を合わすと不思議と病が直る気がするんです・・」
絵画や書も描き手の性格が垣間見られます。
(そこに面白い所もあるのでしょうが・・)
私達宮大工には”個性”は許されません。
先代親方の云われてきた精神に追いつくまで生涯精進あるのみです。
写真・・・神戸長田 安楽院本堂正面向拝 蛙股 {親子龍}裏彫り{鳳凰} 巾六尺五寸 欅
大都流三十二代 西嶋 靖尚鳳雲 画
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