●あけましておめでとうございます
2017年酉歳の幕開けです。
当主となって事初めは常光庵(五十三日堂)に籠り、除夜の鐘を聞きながら歳を迎えるとから始まります。
五十三日堂・・先代が名づけられました。初発意が生まれた時、53日間この御堂に参り祈念すると成就する。
大都流一門の精進を願い、有縁の皆さまの無事を一心に祈念致します。
肌を突き刺す寒さの中、一心に神仏に祈念致しておりますと、何時しか心冴え自身の汚れや慢心が消え去っていくのが
わかります。
我が流派大都流の道のりは、入門を許され徒弟制度に入り五年から八年で許された者に法被(棟梁資格)が授与されます。
その後、研鑽精進され境を超えた者のみに 秘伝書が下げ渡されその者たちが次の当主としての師格を得ることになります。
当主は、その死を自覚し、目を落とす数日以内に{次}を云い渡さなくては成りません。
当主は最後に次の当主に対し、奥秘伝が伝授され息を引き取られます。
この厳しい修行の中で、世間の誘いから逃げ出した者、自身の願いの中途半端さに気付いた者、いろいろな事情で途中下車
する子供たちが居ることも事実です。
迷いながら歯を食いしばり何度も何度も握りしめた爪がめり込みながらも耐えてる子供たちが居る事、これも事実です。
「願うものには門を開けておきなさい。救ってあげなさい。」
先代、勉の晩年の口癖でした。
宮大工という一大工の方便で私たちは救われる道を歩ませて頂いてます。
どうか皆さま、今年も素晴らしき出会いと神仏の縁を願います。
大都流 三十二代当主 西嶋靖尚 鳳雲
謹礼
~常光庵(五三日堂)~