●入弟希望者 実習

平成二十三年度卯年夜明けです。
昨年も皆様方に助けられ厳しき年を乗り越える事が出来ました。
本当に有り難うございます。
年越しの除夜の鐘まで数時間としbsテレビを観てました。
世界の辻井信行という有名なピ盲目のアニストのドラマでした。
その彼が幼少の頃、タンポポをに触れ「綺麗だね」って言うんですね。
盲目なのに綺麗・・・驚きました。
五体満足に生んでもらった私には未だ心の眼が開けていません。。
私たちには神仏から授かった 大工 という手段と手法をいただいてます。
これにより修行に業じ向上することが大事です。
今年は卯年、飛躍の年と言われてます。
私達一門も先達の教えを守り自身の心の眼を開く事が出来るよう精進致します。
どううか皆様、厳しきご指導拙にお願い申し上げます。
大都流三十二代目当主
西嶋 靖尚 鳳雲 謹拝
近所に93才になるおばあちゃんが居ます。
近頃、そのばあちゃん少しぼけが入ってきたみたいなんですね。
龍馬のおとめ姉さんに似た若嫁さん(50代中頃)、口は少々悪いのですがとっても姑さん想いの いい人です。
ある時からばあちゃん自分の意志とは別に下(しも)のほうが緩くなってきました。
おばあちゃん、嫁さんに「もういやだぁ~こんな惨めなのいやだあ~はよ爺さんのとこへ行きたい!」 ダダこねはじめました。
嫁さん、ハイハイと笑顔で相手してましたがばあちゃんあまりにもひつこく言うので「わかったわかったそしたら爺ちゃんとこへ行かせてあげるで!」投げ捨てに言い放ちました。
「どないしたら行けるンや!!」ばあちゃん
嫁さん「あんな、ばあちゃん、爺さん爺さんと毎日言うとるけど仏さんに手合わしてるか?仏壇の前知らん顔して通り過ぎてるし、毎日手合わせてお願いしてみ!きっと早く楽に迎えにきてくれるわ!」
(どうやらこのばあちゃん、仏さんにお参りする事ほとんどしないらしい・・・)
続けて嫁さん曰く「私ら若いモンも横着して毎日よう参らんけど仏さんおるから生きてるんや。助けてもらってるンや。そう思うで」
それからおばあちゃんは毎日欠かさずお爺さんにお願いし、不思議と下の緩みも解決したとの事です。
「仏さんにも参らんとよう勝手な事言うわ!!」
本当の厳しさ優しさとは飾らない本心から発する ことば からですね。。
先週、兵庫県三木市で毎年恒例の金物祭りが行われてました。
若い弟子達も、毎年この日を楽しみにし毎月貯めたお小遣いから背伸びした道具を買いに行きます。
やり鉋が目に付き、少し形や作りは慣れてない作でしたが若い弟子達の勉強の為に購入しました。
やり鉋は、台鉋が出るまでの間、チョウナで荒削りした後に仕上げる道具です。
今に至ってはなかなか使いこなすのも難しくそのほとんどが機械化され使用される事はほとんどありません。
私達は、どの堂宮や伝統建造物にも必ず一カ所はこの痕跡を残しておきたいと思ってます。
伝統を後世に伝える・・なかなか大変な事ですね。
幸いにして私達はすばらしいお施主様方に恵まれてます。
時代を逆行してるようで実は一番最先端を走ってる。。。
そんな気分に酔いしれてる私達は幸せですね(笑)
3月もそろそろ終わりに近づいてきました。春一番も吹き季節は桜の時期となったと思っておりましたらなんと雪でした。。毎日、朝課にてお参り致しております常光庵御大師堂もうっすらと雪化粧し、堂内も空気が身を切る冷たさを感じさせてくれてます。亡き先代親方が、当お堂にお参りをされ七十年になります。どの様なお気持ちで参拝されたかは未熟者の私には未だ計りしれません。 ただ手を合わす事に全く執着していなかった私に唯一こんな話をされた事があります。「一生通じて大変な事は一つの事を淡々と続ける事・・これがなかなか簡単なようで難しい。お参りをする事も同じだ。まず一念を感じる事あれば五十三日続ける。そうすれば何かがさずけて頂ける。それが神仏のお智慧かもしれないな。。。」継続は本当に大変ですね。
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