●高野山別格本山 清浄心院 鳳凰奏殿建立
弘法大師空海が開かれた高野山に別格本山として由緒ある寺院
清浄心院に全国でも最高クラスの護摩堂 鳳凰奏殿の建立に我が流派、宮大工大都流の設計と施工のご指名を頂きました。
願主は鹿児島最福寺法主で護摩行の頂点に座されてます 高野山真言宗傳燈大阿闍梨 池口恵観 大僧正です。
一昨年、ご縁を頂き恵観先生から「壱千年の歴史を創造する。一緒にやりましょう!」と有難い真言を賜りました。
お山は今年1200年祭を迎えられます。
私達一門は当然ながらお山の規矩も勉強不足です。
聞くところによりますと、私共一門に普請奉行の命を頂くまでに全国から名高き大手企業を含め50数社ご来寺されていたと教えていただきました。
全国の共に歩む流派、名家、名工、大棟梁の皆様そして信心篤き壇信徒の皆々様、私達も心一つとなり世界平和の為、
一宮大工として出来うる限りの精進と信心をもって
槌音響かせて参りたいとの所存です。
どうかこれから永きに渡り、ご指導伏してお願い申し上げます。
私達の初発意はどのお山でも海でも動じることはありません。
一つ一つの神仏の縁、大切にしてまいります。
平成二七年一月
宮大工大都流 三十二代
当主 西嶋 靖尚 鳳雲 合掌
●本物香
年明け早々少し愚痴です・・お聞きください。
仕事の出張関係でよく利用するホテルがあります。
近年そのホテルがリニューアルをされ新しく生まれ変わったと聞いて早速予約し利用させていただきました。
メインは入浴設備を完備された事です。
大浴場にサウナ、炭酸温泉に水風呂・・それは素晴らしい設計の元申し分のない改装でした。
ところが、ゆっくりと湯船に浸かっていますとなにかしら落ち着かないんですね。。
デザインも湯加減も一切問題ない。 おかしいなぁとふとあることに気が付きました。
香りです。と言うか匂いです。
どこから発生しているかというと日本調に仕上げられた屋根や格子、浴槽を包む枠の木材に原因がありました。
それは全て外国産の檜です。
節も無く材としては最高級に見える檜です。
この材が鼻をつく匂いの元でした。
長風呂してますとだんだんと頭が痛くなるような感があります。
近頃、私達の社寺建築の業界でも同様にしてこの様な材が使用されることが多々あります。
無論私達も使用したこともあります。
でもこれは材が入手しにくい事や高価な事、工期の短縮による原因もあります。
もう一つは大工として設計屋として不勉強で扱いにくいという点もあるでしょう。
日本人には匂いと香りは大きな違いがあり大切な文化です。
節の問題よりもなぜお伊勢さんは檜を使われてきたのか、はたまた高野山に高野槇が植えられたのか
福井では杉普請が主流で山陰では松普請、私達の地域 播州ではトガ普請が最高と伝えられてきたのか。
それぞれに因果があります。
話は逸れますが昨年京都の有名料亭で責任者されていた板前さんが念願の小料理屋をオープンされました。
その際に、カウンターを檜の一枚板で納めたいとの事で微力ながら協力させていただきました。
大将に聞くと「今でもとてもいい香りがします!お客さんがみんな撫でてくれてなぜか安心すると言ってくれてます。」
ここの大将も毎日牛乳でカウンターを拭き上げる御人ですから変わっていると言えば変わってますが・・。
まぁ頑固ですが美味しいです。一度皆さん冷やかしにお立ち寄りください(一応宣伝もしときます。)
私達宮大工は間違った情報や仕事を残すわけにはいきません。
それは人の命に関わるからです。
神仏の仕事とは厳しいものだとこのホテル様に教えていただきました。
当主 拝
●あけましておめでとうございます
2015年の幕開けです。
昨年は念願でありました国宝姫路城にも我が流派 大都流の槌音響かすことができました。
12月31日除夜の鐘の音を聞きながら先師達が日参された堂へ参拝し
新しき年を迎えるべく三器をお供えし、読経をお唱えしながら新年を迎える。
これが当主としての年頭の一大事です。
手を合わし弟子たちの無事、ますますの精進、そして世界平和まで心安らかに念じ
最後に自身のふがいなさを詫び、この一年を向上できるように捨心となってお願いします。
世の中がどのように変化しようとも正しき信念によって継承されてきたものは動じることはありません。
今年も皆様と共に歩んでまいります。
どうか、ご指導伏してお願い申し上げます。
壱月壱日
宮大工 大都流 三二代
当主 西嶋 靖尚 鳳雲




