●高野山清浄心院 地鎮式

彫刻の下絵です。
弊社では、社長が全ての神社仏閣の彫刻下絵を一人で描き上げます。
描き上げた絵は彫刻担当の弟子により一つ一つ丁寧に彫りあげて行きます。
近年、同じ宮大工さんでも彫刻まで一貫して制作する大工さんはほとんど見かけなくなりましたね。
下絵を作成するに当たり親方は、当然時代考査も必要である。その上、宗派やお施主様の願い等々を考慮して
作り上げないといけない・・。そして、一番大事なことは描く時の自身がスッキリしてるかどうかやな(笑)
当然、現場には工期があるのですが親方の書き上げるスタート(私達はスイッチと呼んでますが)が気分気ままでなかなか
してくれません。
ところがそのスイッチ、プチっと入ると何かに取りつかれたように一気に仕上げていきます。
一度入ると彫刻担当に弟子は大変です。
下絵ー手直し―仕上げー部材への書き込みー彫り と、休む事なく進むからです。
現場担当者からは、予算が・・納期が・・と部屋の外から訴えていますがその世界に入るとただただ無心に描かれてしまいます。
~ワシら宮大工は全ての堂宇作事は神仏と一つになり成し遂げる事ができる。此処へ行かなければ皆平和で生きて行けぬ。
その為に日々精進、向上する。~
大都流31代目西嶋 勉 臥龍 遺訓です。
写真 カエルマタ とタバサミ 檜製の下絵
三年に渡る工事も10月4日(日)秋晴れの中、無事落慶を迎える事と成りました。
落慶法要には島内外より800名の壇信徒の皆様と
石破 茂大臣を御来賓にお迎えし厳粛でとても晴れやかな式でした。
導師には高野山前管長松長猊下、脇導師には大覚寺前宗務総長 黒髪大僧正様
子安観音寺村垣泰道住職 村垣法主様 御一同の職衆様方にて滞りなく進められ
参列者一同感謝の念で堂内は一つとなり、 式最後に諸職工より弊社代表取締役 宮大工大都流32代目西嶋 靖尚
仏師 松久先生 浜屋社長へご本山褒章状が贈呈され式典は終了致しました。
関係者の皆様本当にお疲れ様でした。
皆々様に心よりこのご縁いただいきましたこと感謝致します。
9月12日(土)に放映されました せかい不思議発見はお陰さまで多方面から激励の声を頂戴いたしました。
放映後、関係者を含め多数の皆様からお問い合わせを頂いております。
この場にて姫路城については内容を差し控えさせていただきますが、お問い合わせの中で
「私の家もその天星尺を使って建てたい・・」
「どうやって使うのか?」
「割り方を教えてほしい・・」
等々のお話をいただいております。
ここで皆様にお願いです。
決して個人ではご使用にならないでください。
天星尺は修行を得て各流派の親方から伝承されている宮大工の秘法の一つです。
単純な寸法の割り出しや計測で使用するものではありません。
その家や伝統建造物の全体を把握し、方位や家族構成建物の形状他多種に渡り検地検分を行い
そしてやっと見極めれるものであります。
全国には沢山の伝統を受け継がれた名親方衆がおられます。
どうかこの宮大工さんに直接見ていただいて検寸下さい。
間違うと{吉寸}も{凶寸}になります。
以上、よろしくお願い致します。
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