●老婆の奇跡 ~こぼれ話~

昨日亡くなったおばあさんのこぼれ話です。
「あんな、やっちゃん、人生はな玉入れと同じやった」
亡くなる二週間前の日曜日に作務をしてた五十三日堂での立ち話です。
初めて運動会で玉入れをしたのが五歳の時、意味もわからず赤も白もとにもかくにも
握っては掘り投げ掴んではかごに入れる。敵味方など考えず、目の前のそばがらの玉を投げるだけだった。
次に尋常小学高学年、白には負けるな!絶対赤だ!気合い入れろ!そう教えられ
本気で戦った。勝ったら万歳三唱!
いつしか老人会で玉入れ、準備してくれた籠は幼稚園時代と同じ高さ。
ばかにするなよ!と思いつつ必死に投げるが情けないかなとどきもしない。。
笑顔こぼれる中、数など勝ち負けも赤も白も関係なくただひたすらに無邪気に成って
腰を伸ばし頑張っていた。
何も無い時代だったけど、無邪気に純粋に生まれ育ち毎日が楽しかった。
それから少しして物心ついたころから生きる為の争いをしきた。
振り返り、何か残ったかというと何も無い・・。
気がついてみたら百八つの玉入れの数・・
ありがとうな ありがとうな
願以此功徳 平等施一切 同発菩提心 往生安楽国
合掌