Nさんからのメール

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2008/4/1 火曜日 西嶋工務店より / カテゴリ : 堂宮大工のつれづれ草

先日、私の元に父上様が静岡市で寺社番匠立川流宮大工であったという御方からメールを頂戴致しました。
 立川流といえば関東では有名な宮大工の流派であり、当時は彫刻から全ての諸職工を束ねたすばらしい流派と聞き及んでおります。御方は現在別の職業にてご活躍されているとのことでありますが、お身内の方々は建設に関わるお仕事をされているとのことでした。
流派や現職業が違えど、伝統とその継承されてきた神髄は今もしっかりと受け継がれているようで何かしら親しくお受けしたメールでした。宮大工の流派も沢山あります。私共の先代親方は全国放浪修行の中、伊藤流の業に一つの境涯を得たともいわれております。
継承とは大工の技を学ぶだけではありません。はたまた宮大工だから継承してるとも言い切れません。
伝えられた精神は神仏であり人としての生き方 道徳でもあると思います。
宮大工の現実社会において、やれ俺様は宮大工だ 御堂は何棟建てた、お前達には負けぬ、俺の仕事は日本一だ、私は歴史を知っている学者大工だ・・などと人前に出ては名誉を勝ち取ろうとする方々が沢山いらっしゃいます。
 本当の流派継承宮大工の中にはパン屋さんがいるかも知れません。サラリーマンかもしれません。
我が弟子達には本物の宮大工になって欲しいと拙に願ってます。
 (かく申す私もちょくちょく腹の虫がどこかへ飛んでゆきますが・・・)
 Nさんメール有り難うございました。
   ~常光庵主~

原寸図

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2008/3/13 木曜日 西嶋工務店より / カテゴリ : 堂宮大工のつれづれ草

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堂宮で重要な課程の一つに”原寸図”があります。
設計部にて書き上げた図面を元に実寸の寸法で描くものです。
この段階で堂宮の全ての寸法が決定され、その規矩に基づいて弟子達が加工に入ります。

{写真・・兼田大年神社本殿}

爆弾低気圧

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2008/1/25 金曜日 西嶋工務店より / カテゴリ : 堂宮大工のつれづれ草

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今冬初めての積雪となりました。
三河支店(社長宅)で約15センチ、本店姫路はうっすらと粉雪散らした程度でした。
 狸親子も寒そうです・・。

材木加工

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2008/1/12 土曜日 西嶋工務店より / カテゴリ : 堂宮大工のつれづれ草

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龍門寺隠寮の坪庭を囲う木製円成塀です。
木材であればどんなものでも丸く加工してしまいます。
大工は嫌がりますが親方はとても好きそうです・・・。

初出

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2008/1/8 火曜日 西嶋工務店より / カテゴリ : 堂宮大工のつれづれ草

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新年年始めに当たり当流恒例の親方宅での年頭初出式が執りおこなわれました。
 私達には年頭が2日あります。
  一つは、正月2日に親方宅へ上がり年頭のご挨拶を致し、先代親方への感謝の念と今年一年無事精進できますことを願って勤行を上げさせて頂きます。その後は恒例の大鍋おでんを囲み懐かしい兄弟弟子やその家族と時間の許す限り懇親会を致します。 次ぎに5日にある仕事初めです。これは年頭の吉日に道具を下ろし仕事初めを行うものです。
 沢山の弟子達がいつしか子供を連れて大にぎわいの正月でした。

坊主

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2007/11/30 金曜日 西嶋工務店より / カテゴリ : 堂宮大工のつれづれ草

入弟7ヶ月”剛”(写真右)、入弟1年半年”賢太郎”(写真左)の坊主頭です。
毎月親方から頂戴するお給金で道具買いすぎ今月は散髪に行く金が無くなったようです。
 仕方なく、寮美容室部屋別名”剛の部屋”にて坊主にされた兄弟子”賢太郎”です。
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~気配~

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2007/11/29 木曜日 西嶋工務店より / カテゴリ : 堂宮大工のつれづれ草

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播州地方も遅まきながら山肌に秋色生えてきました。
今年は冬将軍も待ちかまえ中途半端な入れ替わりとなりそうです。
 来週からいよいよ冷え込むとの天気予報・・
 盆暮れが年度末の我社も休む間なく追い込みに入ります。

写真・・修行道場から望む

研修旅行

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2007/11/5 月曜日 西嶋工務店より / カテゴリ : 堂宮大工のつれづれ草

弟子 岩本剛作 墨壷(第二作)

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2007/10/27 土曜日 西嶋工務店より / カテゴリ : 堂宮大工のつれづれ草

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入弟六ヶ月目に入った 剛作 ”墨壺”です。
前回一作目を作成しましたが本人未だ納得がいかず第二作目を造りました。
 数ヶ月ですが、欅材で彫刻意匠は入れておりませんがなかなか切れ味良く出来たようです。
本人曰く「今度はまぁまぁの出来になりました!」との事。さてさて次は何を考えているのやら・・・。

地震考

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2007/10/18 木曜日 西嶋工務店より / カテゴリ : 堂宮大工のつれづれ草

taishinn.jpg10月17日毎日新聞朝刊に京都大学防災研究所鈴木先生の地震学に関する記事が掲載されました。
内容はと申しますと伝統建築に関する耐震補強についての内容です。
この実験には弊社設計部社員も見学に上がり様々な実験内容を確認致しました。
 私共も昨今思うに建築基準法の中、多種に渡る金物補強を含め基準に到達する為の手段を取り入れております。
しかしながら鈴木教授も調査の中で、耐力を持たせる為に行う”補強”に問題があると仰せられています。
 思い起こせば阪神淡路大震災時、翌日より現地に向かい弊社が建造した社寺を調査しました所、半壊倒壊は一件も無く安堵さながら詳細に渡り確認致しました。その中で見受けられたのはやはり筋交い補強等行ってる箇所の部分破壊でした。
伝統工法による”木組み”を行ってる箇所はその揺れを柔軟に受け一切において損傷は軽度のものでありました。
 昨今、施工現場をみておりますと、どうも伝統工法と基準法の狭間で中途半端な構造補強が行われているように思えてなりません。
大手メーカーさんの研究によりプレハブ工法は相当頑固なものになりましたが未だ伝統工法の”技”は衰退する一方です。
   新たなる耐震技術も必要であるとは思いますが各先生方、諸先輩方におかれては原点に立ち返りご研究を願うものであります。

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